〈小説〉 死神ブログ
2016年12月発売。作者は男女の心の闇と葛藤を疾走感あふれる感性で描くことで有名な窪依凛(くぼいりん)。
登場人物も少なく、舞台も少ないので一見するととても映画化しやすそうだが、心情表現が大半を占めているため、実写化は難しい。漫画ならいけるか…。
ちなみに内容はいじめっこがぼこぼこに…で終わらず、いじめられっこも…という感じなので胸糞が嫌いな人は注意。
あらすじ
いじめを苦に自殺しようと思った真田悠哉は、どうせなら世間に自分のことを知ってもらいたいと考え、ブログを立ち上げ、自殺を宣言する。
そしてそのブログを見て感銘を受けた自称エコロジストの悠音からメッセージが来て…
主な登場人物
真田悠哉:
遊戯王の主人公-(友達+ゲーム)といった感じの主人公。
が、「英秀高等学校 二年B組 真田悠哉 殺人事件会場」というブログを立ち上げ、自分の自殺を1か月前から世間にアピールする所から見るに目立つことは嫌いではないのだろう。
基本的に1日7,8回風呂に入っており、多い時は10回を超えるが、別にきれい好きというわけではなく自分の死臭を隠すためである。ちなみに尊敬しているものは三猿で、毎日呪文のように唱えている。
悠音とは両想い。最後は自分も読者も納得できないことに…。
ちなみにこの小説は彼の心情で8割型構成されている。
「僕は、本物の愛を知ったのかな?」
悠音(ゆうおん):
ごみの処分=エコロジーという社会のために自分の身をささげる主人公に献身的な男。悠哉とは両想い。キルエコ(Kill-Ecology)という自分しか会員のいない団体に属し、ごみの処理に忙しいようである。
最後は自分も読者も納得できないことに…。
悠哉のお母さん:
夫が単身赴任という名の浮気をしているのでイラついている。そして夫に対する欲情を自分の息子に…。
山木ミウ:
こいつのせいで主人公はいじめられる。見た目は学年一の美少女。が、中身は…。
金本信也:
いじめっ子のモブ。殺され方もモブ。
岡田将武:
緩やかなウェーブのかかった長髪で平凡な顔をごまかしているいじめっ子。家ではいい子を演じているらしい。最後は縄で縛られ…。
「誰か助けてくれ!」
井上啓二:
ガタイの良い先生。いじめに加担する教師の風上にも置けない男。そのせいか、最後はゴミ扱いされ、ナイフでお腹をグリングリンされて…。
「抜かないで…ください…」
増井刑事:
ダメな刑事。いろんな意味で。
最後に…
いじめていいのは、いじめられてもいいという覚悟を持った奴だけ!
……ま、結局いじめはみんなえらい目に合うということが良くわかるお話でした…